• ソーシャルデザインideaink 02
    ソーシャルデザイン
    グリーンズ

    毎日の暮らしも世界の問題も、たったひとつの思いつきで「楽しく」変えられる。おばあちゃんを元気にするニットブランド、街を賑わす「うわさ」の貼り紙。月間読者12万人、毎日更新されるいま大注目のウェブマガジンを営むグリーンズが、社会を変えた伝説のアイデアを世界中から紹介。これからの街づくり、子育て、エネルギー……「自分ごと」で未来の社会をつくるためのヒント集。話題の実践家、山崎亮、山口絵理子、井上英之各氏のインタビューも収録。「これからのアイデア」をコンパクトに提供する新シリーズ〈アイデアインク〉第2弾。

  • 情報の呼吸法ideaink 01
    情報の呼吸法
    津田大介

    ツイッターの第一人者で「tsudaる」という流行語を生み、フォロワーは20万人弱、ソーシャルメディアの最前線を疾走する。メディア・アクティビスト津田大介による、超情報時代を楽しむための情報の「吸い込み方と吐き出し方」。フォロワーの増やし方から、信憑性のはかり方、アイデアを生む「連想ゲーム」術まで。発信しなければリターンはない。情報というガソリンを取り込んで、人を巻き込み、変化を引き起こすための行動型情報入門。「これからのアイデア」をコンパクトに提供する新シリーズ〈アイデアインク〉第1弾。

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はじめに/兼松佳宏(greenz.jp)

はじめまして! グリーンズ(greenz.jp)編集長の兼松佳宏と申します。
グリーンズは、あなたの暮らしと世界を変えるグッドアイデアを日々紹介しているウェブマガジンです。この本では、 「ソーシャルデザイン」をキーワードに、もっと素敵な未来をつくるためのヒントを読者のみなさんと共有したいと思っています。
ここで本題に入る前に、ちょっと質問があります。

Q1  未来はもっと素敵だと思いますか?
□はい
□いいえ

Q2 自分の手で、未来をもっと素敵にできると思いますか?
□はい
□いいえ

二つとも 「はい」と答えた方。
あなたはもう 「ソーシャルデザイナー」です。この本には、あなたにインスピレーションを与えてくれる、目の前の課題を突破するためのグッドアイデアがたくさん掲載されています。一人でアイデアを考えるとき、仲間とブレインストーミングをするときには、ぜひツールとしてご活用ください。

Q1が 「はい」で、Q2が 「いいえ」の方。
そう、「未来はもっと素敵」と言い切ることがもっとも大切なことです。次のステップは「社会」のような大きくて遠くにみえることを「自分ごと」にすること。この本には、個人の思いから世界を動かした事例がたくさん掲載されています。「自分の手で未来をつくる」というのはどういうことなのか、実感をつかむことができるはずです。

Q1が 「いいえ」で、Q2が 「はい」の方。
あなたはもう「ソーシャルデザイナー」として活躍する準備ができています。自分を起点として社会を変えていくことができる、そのメンタリティはなかなか持てるものではありません。あとはどんな未来に向かうのか、素敵な未来をイメージするための手がかりを、この本から見つけていただけるとうれしいです。

そして、二つとも 「いいえ」の方。
どうぞ、ご心配なく。この本はまさにあなたのために書かれた本なのです。

ソーシャルデザインとは何か?

そもそも「ソーシャルデザイン」とは何でしょうか?
それを紐(ひも)解(と)こうとするだけで一冊の本ができてしまうくらい、本当に広い意味を持っています。

「ソーシャルデザイン」を語るうえで欠かせない人物が、デザイナーであり教育者でもあったヴィクター・パパネック(1927~1998年)です。私たちの暮らしが大量生産・大量消費に向かい始めた1970年代に書かれた名著『生きのびるためのデザイン』(晶文社、1974年)では、「デザインのまずい品物や構造物で地球そのものを汚すのをやめなければならない」と、デザイナーが社会に与える影響について自覚的になるよう促しました。そこで初めて「デザイナーの社会的責任」という議論の口火が切られたのです。

やがて「ソーシャルデザイン」というキーワードは、社会的な課題が顕在化してきた21世紀の幕開けとともに、再び脚光を浴びることとなります。

ユネスコが2007年に立ち上げたソーシャルデザインのためのSNSサイト「DESIGN21」では、「ソーシャルデザイン」とは“Better design for the greater good”(大きなよいことのためのデザイン)」と定義されています。そこでは、世界中のプロダクトデザイナー、グラフィックデザイナー、教育者やジャーナリストたちが、教育、貧困、環境などのグローバルな課題に対する、デザインによる解決事例をシェアしています。

また、2000年頃に“future social design”という先駆的なコンセプトを掲げていた雑誌『広告』の元編集長であり、「more trees」(「もっと木を」というコンセプトのもと、音楽家・坂本龍一さんの呼びかけによって設立された森林保全団体)のファウンダーとしても知られるクリエイティブ・ディレクターの池田正昭さんは、「more trees」の活動について、「単なるモノのデザインではなく、人々が継続的に森と関わっていくきっかけを作り、みんなで森をよくするシステムを作ること。これが私の考えるソーシャルデザインのひとつ」(Social Designフォーラム、2009年)と説明しています。

ある人はNPO法人など非営利セクターのために、ロゴやウェブサイトなどコミュニケーションツールをデザインすることを「ソーシャルデザイン」と呼び、またある人は障がい者や高齢者、子どもなど多様なユーザーの社会参加を促すような、いわゆる「インクルーシブデザイン」のことを「ソーシャルデザイン」と呼びます。立場によってその言葉の定義もさまざまですが、「より素敵な社会をつくる」という目的においては共通しているようです。

ではグリーンズが考える「ソーシャルデザイン」とは何でしょうか? [続く]

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